すぎい小児科クリニック(東京都八王子市大和田町)

小児科、アレルギー科、小児皮膚科
小児一般・アレルギー疾患
乳児健診・予防接種
すぎい小児科クリニック
東京都八王子市大和田町5-10-2
SYOJIビル1階
電話番号:042-634-1975

ブログ

呼吸数

呼吸数は、1分間に何回呼吸するか回数を数えます。

喘息や肺炎の重症度の指標になります。

泣いていない時に測定するのが良いです。


中耳炎罹患後の中耳滲出液残存期間

中耳炎罹患後の中耳滲出液残存期間は、
2週間 70%
1ヶ月 40%
3ヶ月 5〜10%
です。
中耳炎が治ったら、遅くても3ヶ月後には鼓膜を見てもらうと良いです


無理なダイエット

若い女性が無理なダイエットをして痩せてしまうと、高齢になって骨粗鬆症になりやすいと言われています。

小学生中学生は、毎年体重が増えるのが正常です。

学校の体重測定で毎年同じ体重の場合は、成長により増えるべき体重が増えていないと考えた方が良いです。


離乳食に関する悩みと対処法

おかゆを嫌がる:ミキサーで粒がなくなるまですり潰す、野菜やかぼちゃから始める

乳を先に欲しがる:しばらく授乳を先にしてみる

口から出す:初めて口にするものは確認する。そのうち慣れる

飲み込めない:とろみのもとを使う

味が苦手:出汁を利用する。

急に食べなくなった:4,5日授乳のみにして、ゆっくり楽しい声かけをしてみる

量を食べない:ひとさじ量を少量にする


離乳食今昔

昔はビタミンCを補うために果汁を飲ませていましたが、今は粉ミルクが改良されたので、果汁を飲ませる必要はなくなりました。

果汁の浸透圧は母乳の2〜3倍なので、浸透圧で便がゆるくなります。


ロタウイルスワクチン

ロタウイルスワクチン投与後は、7日間便に排泄されます。(特に初回投与後)

双子の症例対照研究ではロタワクチン投与後に双子への水平感染はなかったので、過度に心配する必要はないのですが、おむつを替えた後は、石鹸と流水でよく手を洗いましょう。赤ちゃんのお世話をする方が免疫抑制状態の場合は、4週間程度、他の方におむつ交換を頼むと良いでしょう。


早寝早起き朝ごはん

睡眠は記憶の整理や定着と関連し、成長ホルモンは夜間睡眠中に分泌されるため、子供は早寝をして充分睡眠をとる必要があります。

人間の体内時計は25時間で刻まれているため、24時間周期を保つには生活リズムを整えなければなりません。望ましい生活の条件は、

1. 朝の光を浴びること
2. 昼間に活動すること
3. 夜は暗いところで休むこと
4. 規則的な食事をとること
5. 規則的に排泄すること
6. 眠りを阻害する嗜好品(カフェイン等)と過剰なメディア接触を避けること
7. 入眠儀式(眠る前のルーチン)です。

なかなか寝付けない場合に利用できそうな人間の性質は、体温が下がる時に眠気が増すことです。一般に、入浴後30分〜1時間後に体温が下がります。冬は、湯たんぽで布団を温めると体表面の血管が開き(手足はポカポカ暖かくなりますが、)深部体温が下がるため眠気を感じます(電気毛布を使う場合は布団に入る頃には消す必要があります)。

ところで、日本の小学生の平均睡眠時間は推奨される標準睡眠時間より短いことをご存知でしょうか?「みんなが起きてるから」と就寝時刻を周りに合わせると睡眠不足になってしまうので要注意です。また、夜更かしは睡眠不足だけでなく、(ブルーライトなどの)光を夜浴びることにより生体時計の周期が延長するため二次的に起床時刻が遅れ、悪循環になります。

朝カーテンを開け、夜はテレビを消しスマホやパソコン、ゲーム等をしない、入眠儀式(入浴後、絵本を読んで、電気を消して、寝る等一定のパターンを保つ)など、小学生くらいまでは、家族の協力が望ましいと言えます。


ネット依存症

生活リズムの乱れの一因として夜ブルーライトを浴びることが指摘されています。本来なら日中に太陽光に含まれるブルーライト(紫外線の次に波長が短い強いエネルギーを持つ光)を浴び、日没後にはブルーライトの量が減少することで、体内のメラトニン分泌が盛んになり眠る状態が作られます。テレビやスマホのLEDディスプレイの光量は太陽光に比べて少ないものの、分光曲線はブルーライトにピークがあります。そのため、夜遅くまでスマホなどを見る(→スマホのブルーライトが体内のメラトニン分泌を抑制する)ことで体内時計が乱れ、寝つきが悪くなる、眠りが浅くなるなどの悪影響が危惧されています。

ネット依存症は、日本の中高生の約8%がその可能性があると2013年に厚労省研究班が報告して話題になりました。女児で年齢が高いほどリスクが高いと報告されています。「ネット依存症になってからの治療は厳しい現実がある。予防が大切。治療可能な専門施設は限られている。」と専門家は訴えています。関連学会からの提言は<表1>の通りです。なお、ネット依存症スクリーニングテスト<表2>の8項目中5項目以上満たす場合ネット依存症の疑いがあります。

ICTは便利ですが、弊害もあります。スマホやゲームに関して各ご家庭でルールを決める(または見直す)ときの参考になれば幸いです。


表1

1) スマホなどの管理者は保護者であることを子どもに明確に伝えましょう。

2) 保護者はスマホなどが子供に及ぼす影響について学習しましょう。

3) スマホなどの適切な使い方を親子で話し合いルールを決めましょう。

4) 保護者は子供に貸与したスマホ等の利用状況を折に触れて確認しましょう。

5) 子供が決められたルールを守れない場合には一旦没収し、改めて話し合いましょう。

表2

Q1. インターネットに夢中になっていると感じるか

Q2. 満足を得るために、ネットを使う時間を長くして行かなければならないと感じるか

Q3. 使用時間を減らしたり、止めようとしたりしたが、うまく行かなかったことが度々あったか

Q4. ネットの使用をやめようとした時、落ち込みやイライラなどを感じるか

Q5. 意図したよりも、長時間オンラインの状態でいるか

Q6. ネットのため、大切な人間関係、学校、部活のことを危うくしたことがあったか

Q7. 熱中しすぎていることを隠すため、家族や先生に嘘をついたことがあるか

Q8. 嫌な気持ちや不安、落ち込みから逃げるためにネットを使うか

*8項目中5項目以上がネット依存症の疑い


ICTと眼

ICT(スマートフォンやタブレット端末)の弊害について、眼への影響、生活リズムの乱れ、ネット依存症などが学会で話題になっています。

眼への影響として、近視と眼球運動の発達への影響が心配されています。近視は遺伝的要素が強いものの、最近は環境的要因が問題になっています。30cm以内に近づいての作業と30分以上連続しての近業で近視の頻度が高まり、逆に屋外での活動は近視進行を遅らせるというデータがあります。眼球運動は、振り子のようなゆっくりとした動きのものを追いかける眼球運動と、ふたつのものを素早く見比べる時のような眼球運動があります。これらは(体全体を使う)運動とともに発達していきます。眼球運動が発達しないと、文字を読む時、行を飛ばしたり、黒板の文字を書き写す際にどこを写しているのか分からなくなります。ゲームやスマホは作業距離が近く、運動が行われず、眼球運動は画面の大きさのみで、調節(ピント合わせ)も画面に固定されてしまうため、近視の進行を進める可能性だけでなく、眼球運動の発達への悪影響が心配されるため、「画面と眼の距離は(30~)50cm以上、1日に見る時間は30(~50)分以内」が望ましいという提言が出されています。

ICTは便利ですが、弊害もあります。スマホやゲームに関して各ご家庭でルールを決める(または見直す)ときの参考してください。


お薬について

お薬を飲ませる・使う際に守っていただきたいこと

必ず医師からの指示通りに使用し、保護者の判断で勝手に中止したり、飲み方・使い方を変えたりしないでください。

残ったお薬は取っておかずに処分してください。
お薬はその時の症状や年齢、体重に合わせて処方されているため、似ている症状だからといって必ずしも前のお薬が使えるとは限りません。
お薬が必要になったときは、新しく医師にお薬を処方してもらいましょう。

お薬は、日が当たらず湿気の少ない場所に保管してください。
ただし、シロップ薬・坐薬は冷蔵庫に保管してください。
また、お子さまが誤って飲んだりしないように、お子さまの手の届かないところに保管してください。


お薬を上手に飲ませる・使うために知っておいてほしいこと

お薬を上手に飲めたときはほめてあげましょう。
ほめてもらうと子供はうれしくなり、次も嫌がらずにお薬を飲むようになることがあります。
また、お薬を飲めないとつい叱ってしまいがちですが、叱られたことでそれが嫌な思い出となってしまい、お薬が嫌いになってしまうことがありますので気を付けましょう。

お子さまにお薬を使う理由を話してみましょう。
理由を理解することで、お薬をきちんと使えるようになることがあります。
また、お薬を使って症状がよくなったら、「お薬を使ったからよくなったんだよ」と伝えておくことも効果的です。

お薬によっては、剤形(粉薬・シロップ薬・錠剤など)を選ぶことができるものもあります。
お子さまが好む剤形がある場合は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

お薬を飲んでアレルギー反応や副作用が現れるなど、からだに合わないお薬があった場合や、食べ物アレルギーがある場合は、そのお薬や食べ物の名前をおくすり手帳に記入しておき、受診時に医師に見せましょう。

このブログでご紹介する方法によってお薬を使うことに慣れてきましたら、飲み薬は水で飲むなど、少しずつ大人と同じような使い方ができるようにしていきましょう。

お薬をいつ飲ませたらよいか

~新生児、乳児の場合~

1日3回のお薬は、おおよそ朝・昼・夕の5~6時間間隔で、授乳時などに合わせて飲ませます。

~幼児の場合~

1日2回のお薬は、朝と夕(例えば朝7時頃、夜7時頃)、1日3回のお薬は起きている時間を3等分して(例えば朝8時頃、昼2時頃、夜8時頃)飲ませます。
保育園や幼稚園などの事情により昼飲めない場合には、行く前と帰ってからと寝る前などのように3回飲ませるといった方法もあります。
なお、保育園の帰りが遅いなどで時間が合わない場合は、1日2回飲ませればよいお薬もありますので医師に相談してみてください。

授乳後や食後だと、おなかがいっぱいでお薬を飲めなかったり食べ物と一緒に吐いたりすることがあります。
子供用のお薬は空腹時に飲んでも副作用や効果に影響があるようなお薬は少ないため、授乳前や食前に飲ませるといった方法もあります。
食事がとれなくても、お薬は飲ませなくてはいけません。
また、お薬を飲ませる時間に寝ている場合は、時間がきたからといって無理に起こさず、起きたときに飲ませ、そのあとは5~6時間あけて飲ませます。

粉薬の飲ませ方

通常、粉薬は水と一緒に飲みますが、小さなお子さまの場合、粉薬の味やざらつきを嫌がり、飲めないことがあります。
お子さまが粉薬を初めて飲む場合や、飲むのを嫌がる場合の飲ませ方の工夫をご紹介します。
ただし、お薬を水や飲食物に混ぜる場合、混ぜてから時間が経つとお薬の成分が変化してしまうことがあるため、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないでください。

~乳児(1ヶ月~1歳未満)にお勧め~

その1
小さな容器の中に粉薬をあけ、数滴の水を加えて、ペースト状に練ります。
手をきれいに洗って、練ったお薬を指先につけ、口の中に塗りつけます。
舌の上に塗ると苦味を感じるため避けるとよいでしょう。
そのあとはお薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。

舌の上は避けて
頬の内側や上あごに塗りつける

その2
小さな容器の中に粉薬をあけ、少しずつ水を加えて、シロップ状(液体)にします。
溶かしたお薬をスプーンやスポイト、哺乳瓶の乳首*を使って飲ませます。
そのあとはお薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。

ワンポイントアドバイス
*哺乳瓶の乳首を使う場合、穴が狭く、お薬が十分に出ないことがあります。
薬用の乳首(穴を少し大きく開けたもの)を用意しておくのがお勧めです。

穴を開けておく

~幼児(1~5歳)にお勧め~

この時期のお子さまが好むお薬の飲み方には個人差があるため、次に記した中からお子さまに合った方法を選ぶのがよいでしょう。

その1
粉薬に水を少量(5mlから始めて20ml位まで)加えて溶かし、飲ませます。
そのあとはお薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。

その2
1回分のお薬の入った袋の口を切り、袋の中にスプーンで極少量(スプーン1杯以下)の水を入れます。
手早くかき混ぜて、そのスプーンでお子さまの口のやや奥にお薬を入れます。
そのあとはお薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。

その3
次のようなものを使うことで、お薬のにおいや苦味を感じにくくすることができ、飲みやすくなります。

○オブラート
口の中にくっつきやすいため、オブラートの外側を水でぬらし、とろみを出して飲ませるとよいです。
袋型やフルーツ味のオブラートなど様々なタイプがあります。

○服薬補助ゼリー
ゼリーにお薬を混ぜるのではなく、ゼリーの上にお薬をおき、さらにその上をゼリーで包むようにして飲ませます。

その4
そのまま水で飲めない場合は、粉薬に好みの食べ物を少量(スプーン1~2杯位)加えて食べさせます。
そのあとはお薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
均一に混ぜるよりも、粉薬をはさむようにして食べさせるとよいようです。
混ぜるとお薬が飲みやすくなる飲食物については、下の「混ぜると飲みやすくなる飲食物を参考にしてみてください。

混ぜてはいけない飲食物

ミルクやごはんは栄養源であるため、混ぜないでください。
味が変わって
飲み残したり、ミルク嫌い、ごはん嫌いになったりするおそれがあります。
また、炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁の多いジュースなどは、お薬の吸収や効果に影響を与えてしまうので、混ぜないでください。
1歳未満の乳児には乳児ボツリヌス症を発症する危険性があることから、はちみつは与えないようにしてください。

混ぜると飲みやすくなる飲食物

味や香りが強いものはお薬の味を感じさせることなく飲ませることができます。

例)ヨーグルト、アイスクリーム*、ジャム、プリン、ジュース、チョコレートクリーム、コンデンスミルクなど
*アイスクリームは、舌を冷やし、一時的に神経を麻痺させて、味を感じにくくします。

お薬によっては飲食物を混ぜると逆に苦味が増して飲みにくくなったり、お薬の効果が弱くなったりするものもあります。
ご紹介したものは一例で
すので、お薬ごとの飲み合わせについて気になる場合は薬剤師に相談してください。

ワンポイントアドバイス
◎たくさんの量の食べ物を混ぜてしまうと、食べきれなかったときに必要な量のお薬が飲めないことになります。
混ぜる食べ物の量はできるだけ少なくし、確実に食べたあとに続けて飲み物を飲ませて後味を消してください。

◎混ぜるときは、まず少量だけ混ぜて、必ず保護者の方が味見をしてみてください。
ただし、味覚には個人差があり、また大人と子供でも異なるため、大人がよいと思ってもお子さまが上手く飲めない場合もあります。
ひとつの食べ物で上手くいかない場合でもいくつか試してみてください。

◎食べ物にお薬を混ぜているところをお子さまに見せないようにしてください。
食べ物を見ただけでお薬が混ざっていると思い、その食べ物を嫌いになることがあります。

ジュースなどに混ぜるとき

シロップ薬を飲むのを嫌がる場合は、お茶やジュースなどの飲み物に混ぜてもかまいません。
ただし、混ぜてから時間が経つとお薬の成分が変化して
しまうことがあるため、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないでください。

ワンポイントアドバイス
◎たくさんの量の飲み物に混ぜてしまうと、飲みきれなかったときに必要な量のお薬が飲めないことになります。
混ぜる飲み物の量はできるだけ少なくし、確実に飲んだあとに続けて飲み物を飲ませて後味を消してください。

◎炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁の多いジュースなどは、お薬の吸収や効果に影響を与えてしまうので、混ぜないでください。

シロップ薬と粉薬が一緒に処方されているとき

シロップ薬に粉薬を溶かして飲ませることもできます。
ただし、混ぜてか
ら時間が経つとお薬の成分が変化してしまうことがあるため、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないでください。

活用しないともったいない!成長曲線のススメ

もうすぐ春休みです。年度末で、お子さんの健康カードが各ご家庭に返されます。
健康カードに身長体重が記載されていますが、測定された数字を眺め保護者印を押して終わりにしていませんか?

健康カードには、標準成長曲線が印刷されていることを皆さんご存知でしょうか?
これは過去の小学生〜高校生の健診のデータを集計したものから作られています。この曲線上に年齢毎の身長体重をプロットするとそれぞれのお子さんの成長曲線が見えてきます。背の低い人は低いなりに、高い人は高いなりに曲線に沿って身長が伸びます。子供の成長に重要なものは、内因的な要素としてはホルモン、外因的な要素としては栄養ですが、感染・慢性疾患など色々な要因が成長に関与します。成長曲線は子供の健康のバロメーターです。

保護者の方はカードをご覧になったらサインするだけでなく、成長曲線をプロットしてみてください。